味覚障害の原因と治療

味覚障害の原因と治療

ご飯、お菓子やデザートっておいしいですよね。食事は栄養を取るという大事なイベントでもありますが、おいしいご飯を食べることによりストレス発散にもなります。

食事を作る仕事に従事される方や、お菓子・デザート職人さんにとっては仕事に影響を及ぼすことになります。実際外来をしていると学校給食を作る方や、食堂を営業している方が困って受診されたことがあります。

味覚障害と一言で言っても色々あって、

・味が全くしなくなる
・味が少ししなくなる
・変な味がし出す(常に甘かったり塩辛かったり)
・部分的な障害

などなど多岐にわたります。

実は原因も色々あって、

1.風邪
2.口腔カンジダ症
3.亜鉛欠乏症・鉄欠乏性貧血
4.口腔内乾燥
5.薬剤性

おおよそこんな感じです。

なぜこの順番で原因を書いたかというと、外来で検査治療をしていく中で、治りやすい順番だからです。

1.風邪

そもそも病歴の中で「鼻が詰まってから味がしなくなりました」と言われれば、鼻の治療をすればいいのであって、あまり小難しく考えなくても鼻詰まりの症状が改善すれば味覚障害も改善します。最も多い味覚障害の原因であり、治りやすい原因でもあります。

2.口腔カンジダ症

実はお恥ずかしいことに、味覚障害の原因で口腔カンジダ症が多いことを私が実感したのはここ最近の話です。というのも、口腔カンジダ症は、舌や口腔内に所見がなくても悪さをしていることがあるからです。診察の時に舌や口腔内にカンジダを疑うような白い付着物がついていなくても、治療を行うと症状が改善したという人が多々いたのです。
薬はアムホテリシンB(商品名:ファンギゾンシロップ)1mlを1日4回内服していただきます。もしも味覚障害のある方がいたら、近くに耳鼻咽喉科がない場合には消化器内科で相談すると処方してもらえるかもしれません。ちなみに、通常飲み込む薬ではありますが、口の中でうがいをするようにグチュグチュした後に飲み込んでください。

3.亜鉛欠乏症・貧血

亜鉛欠乏症と貧血の二つは味覚障害の検査を行うときに採血結果として表れてくれる二つです。お医者さんからすると、検査結果の数値として異常があれば、亜鉛欠乏と貧血を改善させるように治療をすればいいので、治療はしやすくなります。また、患者さんからしてもわかりやすい結果が出ると納得しやすくなります。
亜鉛については酢酸亜鉛水和物製剤(商品名:ノベルジン)を処方したり、鉄欠乏性貧血については鉄剤の処方を行います。
医療者の方が見られている場合の注意点ですが、亜鉛欠乏の方にノベルジンを処方する場合には定期的な採血検査が必要(最初は月に1回、安定してきたら2ヶ月に1回、3ヶ月に1回)で、銅欠乏症を起こす可能性があるため十分な注意が必要になります。同様に味覚障害を起こしている方への注意点としては、きちんとした採血を受けるまでは、コンビニで売ってあるような医薬品の「亜鉛」を飲みすぎるようなことはやめてください。

4.口腔内乾燥

口腔内乾燥の2大原因は「加齢」と「冬」です。
年を重ねると、どうしても乾燥はつきものです。こまめに口を潤したり、うがいをすることもいいことです。口腔内の保湿剤もありますので、活用してみるのもいいかと思います。少し味がして苦手な方もいるかと思います。私は少し苦手でした。
加湿器を用いて乾燥を予防しましょう。加湿しすぎてもカビが生えてきてアレルギー反応を起こしてしまうため、50~60%程度に収めるようにしてください。
病気が原因になることもあります。シェーグレン症候群という病気があります。難病指定にもなっており、治療も難しくあります。膠原病内科への受診が必要です。

5.多量の内服薬

多量の内服薬が味覚障害をおこすことがあります。これが難しいのが、一つずつ薬をやめてみるしかないということです。かかりつけの先生に相談をしながらやめていくのですが、血圧の薬や抗凝固剤のような循環器系の薬は特にやめにくくあります。
少なくとも、この記事を読んですぐに薬を自己判断で中止するようなことはしないでください。前記しているようなほかの原因の可能性もあるので、まずは検査や治療を受けて、味覚障害が改善しなかったら、かかりつけの先生と相談しながら薬をやめてみましょう。

私が外来で行っている治療の流れを書いてみました。

皆さんの参考になればいいなと思います。

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